「クリニックへの来院数が伸び悩む」要因として、”予約システムが煩雑であるため患者が離脱している” というケースも少なくありません。
クリニックのホームページと実店舗を繋ぐ重要な位置づけの予約システムですが、この選択も非常に悩みどころが多いのが実態です。
「予約システムの機能はこれがいいと思っているが、他に必要な観点はないか?」
「予約システムが全くわかっていないので、まずは何から決めたらいいか知りたい」
このような先生の疑問を解決すべく、この記事では予約システムのメリットや選び方について紹介と解説をしています。
1. クリニック予約システムとは?
クリニック向けの予約システムとは、PCやスマートフォンからクリニックの診察の予約ができるシステムです。インターネット上から予約ができるため、患者さんとしてはクリニックにわざわざ予約を入れに行かなくても空き時間に自由に診察の予約をすることが可能になります。
またクリニック側としても、電話や直接来院されての予約への対応が減ることで事務作業の効率化に繋がったり、診療時間ごとの予約人数の上限を決めることで診察のオペレーションを調整したりすることが容易になるといったメリットがあります。
実際の予約の方法としては、患者がクリニックのサイトやまたはLINEなどのアプリなどを使って診察の予約が空いている時間を探し、その時間を予約する方法を取るシステムがメジャーとなっています。
2. クリニック予約システムの重要性
なぜ予約システムが重要かというと、大きく3つあります。
①患者目線で、来院体験がよりよいものになることで、集患力がUPする
②先生目線で、提供する医療をより多くの患者に届けられる
③クリニック内の業務が効率化し、より多くの患者さんを受け入れ可能となる
①については、患者からすると例えば具合が悪い際には、クリニックの予約に少しでもストレスがあると「このクリニックを予約するのはやめよう」と思って予約をやめてしまったり、またクリニックにかかったものの順番待ち時間が非常に長かったりすると「次回は別のクリニックにしよう」と思ってしまったりすることがあります。これに対し適切な予約システムを入れることでスムーズな予約体験や受診体験をしていただくことで「また受診する際にはもこのクリニックに来たいな」と思っていただけるため、結果的に集患力がUPすることに繋がります。
②については、もし予約システムがない場合には、先生がその日の受診予定者数が読めずに適切な時間配分ができなかったり、患者さんがクリニックの混雑度がわからないため「今日は混んでいる気がするので別のクリニックに行こう」と思ってしまうことがあります。予約システムを入れることでクリニックの予約状況を先生も患者さんも見えるようになることで、医療や受診機会のもったいないロスが減るため、提供する医療をより多くの患者に届けることが可能となります。
また、予約システムによっては「Web問診」や「再診に向けたメッセージ」などの機能がついているため、診療時間短縮や外来を辞めてしまう患者さんを減らすといった効果も得られます。
③については、主に受付の事務作業として「電話や直接来院されての予約対応」「来院時の患者情報の確認・電子カルテへの入力」「次回予約の予約表への記載」など、煩雑な作業が発生します。これに対し、予約システムの導入により、受付が回らないことで患者さんを受け入れできていなかった場合にはこれを解消することでオペレーション力がUPすることに繋がります。
3. クリニック予約システムのタイプとメリット
クリニック向け予約システムのタイプは、その導入目的により大きく2つに分けられます。
(1)患者体験向上タイプ
スムーズな予約体験や受診体験を提供できる予約システムのタイプです。
主に備えている機能としては、以下です。(メーカーごとで異なるため参考)
- 時間を指定しての予約である「時間帯予約」や当日受付順に案内する「当日順番予約」の予約が可能
- Webだけでなく、LINEによる予約も可能
- 予約の変更やキャンセルも容易
- あと何人後に診察かの「順番待ち」をWebでも確認可能
- 診察の呼び出しをメールやLINEなどで可能
- (あれば尚よい)事前に登録したクレジットカードにてオンライン決済
メリット:
・当日順番待ちが確認できることで、待ち時間が長かったり待合室がいっぱいのクリニックでも患者さんの満足度が下がらない
・開発スピードが早く、次々と細かい所に対応する機能がリリースされる
デメリット:
・機能に応じてサービス価格も膨らむ場合がある
・電子カルテへの直接連携はできないため、事務さんが「予約情報の電子カルテへの転記」や「電子カルテと予約システムの患者情報の紐づけの作業」が必要
(2)クリニック業務効率化タイプ
クリニック内の業務が効率化し、より多くの患者さんを受け入れ可能とする予約システムのタイプです。
備えている機能としては、以下です。(メーカーごとで異なるため参考)
- 電子カルテと一体となっている予約システムのため、予約が入ると電子カルテに同期される
- 次回予約も電子カルテで容易に実施可能
メリット:
・電子カルテ周りの煩雑な作業が効率化される
・比較的安価に予約機能が使えるようになる場合が多い
デメリット:
・予約や受付業務に関する機能としては予約特化のメーカーの機能と比べると少し物足りない部分がある
・大手のメーカーの場合、細かい要望を出したとしても反映には時間を要する場合もある
4. クリニック予約システムの選び方
2つのタイプのうち、特に若い世代の方が多く来院するクリニックは(1)患者体験向上タイプ がおすすめです。若い世代の方は美容室や喫茶店などの他のサービス業態にて便利な機能に触れていることもあり、そういった当たり前に使っている便利な機能がない場合にストレスとなってしまうため、スムーズな予約体験や受診体験を提供できる予約システムを導入することが重要と考えられます。
一方、患者さんが多いが、まだ予約システムを入れていないなどのクリニックは、まずは(2)クリニック業務効率化タイプ で電子カルテについている予約システムを導入するか、または(1)のタイプのうち、機能が一定で安価なタイプの導入をトライしてみることが考えられます。
いずれにせよ、電子カルテのように一度導入するとなかなか変更が容易でないシステムと比べて、予約システムは、事務さんや先生がシステムに慣れる作業が発生するぐらいで、比較的簡易に変更ができるため、一度導入をしてみて自院にとって必要な機能を確認する、というフェーズがあってもよいと考えます。
まとめ
クリニック向けの予約システムの選び方について細かく説明をしましたが、いかがでしたでしょうか。なんとなく予約システムの概要はわかったとしても、細かい機能まで理解をするのは非常に難しく、自院に適する予約システムを選ぶのは色々と迷うことも多いと思います。
弊社ではクリニックのことを深く理解したIT専門家が在籍しており、上記のようなシステムの選定をはじめ、有料のコンサルティングを実施しております。
先生の想いの壁打ち相手から、開業エリア選定、物件選定はもちろん、事業計画の策定支援、その後の開業準備のご支援、開業後のご支援も行っております。
開業に際し、フラットに先生の意思決定をサポートさせて頂き、開業後の経営についてもサポートさせて頂きますので、是非一度お話を聞かせてください。
宜しくお願い致します。
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