レセプト点検のコツとは?査定対策と算定漏れの事例を解説!

開業医としてクリニックを運営していく立場になり、医師としてよい医療を提供することはもちろん重要ですが、経営者として自院の経営を見ることも非常に大切です。

クリニックの人事でよく問題にあがるのが、看護師や医療事務の急な離職やスキルや経験をもった方の採用の難しさです。

とりわけ医療事務に目を移してみると、他職種に比べて比較的安価な人件費で雇われているケースが散見されますが、医療事務は診療報酬請求や外来会計、受付、電話対応業務などクリニック運営において多岐にわたる業務を行っています。

その中でも診療報酬請求業務や日々のカルテチェック、外来会計等は専門性が高く、誰にでもできる業務ではありません。またクリニックにおける保険診療の売上を適切に上げるために必須な業務であり、経営へのインパクトも大きいものだと考えています。

そこで弊社では、急な離職にも耐えられる体制づくりや医療事務未経験の方への教育をスムーズに行えるようにするため、その専門性の高い医療事務のスキル・ノウハウをクリニックに蓄積・活用することを目的とした遠隔レセプト業務代行サービス(メディサポ)を立ち上げました。

こちらでは、診療報酬請求をする前に欠かすことのできない『レセプト点検』とは、算定内容の誤り・算定漏れ・算定内容と病名の整合性確認などを点検し、査定による減点を未然に防ぐ重要な業務となります。ここではレセプト点検のポイントとコツをご紹介していきます。

レセプト点検のポイント

診療報酬の請求日は毎月10日と決まっておりますので、保険者番号からすべての点検をしてしまうと点検業務が逼迫し、請求日に間に合わなくなってしまいます。

以前はレセプトコンピューターにすべて手入力で算定していましたが、現在はIT化が進み、自動算定機能が付いている電子カルテが増えています。また、オンライン資格確認システムの導入により保険証番号の誤りなどの返戻や査定の件数が減ったクリニックも多いことでしょう。

これらを踏まえて点検することで点検作業工数の削減に繋がり、効率よくレセプト点検ができるようになります。

実際にレセプト点検者がどのように点検を行っているかポイントをみていきましょう。

①診療月の確認

診療月の次月に請求するのが基本ですが、診療月より以前に診療をしたレセプトを請求(月遅れ請求)する場合があるため、診療月の確認をします。診療月を先に確認しておく事でその後の点検作業がスムーズになる場合があります。

②実日数の確認

実日数とは、診療をした日をカウントした日数になります。例えば、診療なしで診療情報提供書のみ発行した場合は、実日数は0日となります。

実日数を確認する事で発見できる算定誤り例として、手術と処置を算定しており、実日数が1日だとします。カルテを開いて内容を確認すると、同日同一部位に手術と処置を算定しているので処置は”算定できない”という判断になりますので未然に査定を防ぐ事ができます。実日数が2日以上なら同日同一部位の可能性は低くなりますのでカルテの確認が不要になります。

③処方薬と病名の整合性確認

病名に対して処方薬が出ているかの確認をします。病名を確認してから処方薬を確認するよりも、処方薬を確認し、整合性のある病名が登録されているかを確認する方が点検漏れが防げます。病名と処方薬に整合性がない場合、調剤薬局の査定分を医療機関が負担する事になり大きな減収になってしまいますので特に注意して点検を行いましょう。

④診療行為に対する算定確認

処置・検査・医学管理料など診療行為に対する算定と病名に整合性があるか確認します。

検体検査が査定されると検体検査判断料も査定されてしまうなど、査定に伴う査定が発生してしまう算定項目もありますので要注意です。

レセプト点検のコツ

点検者によって点検方法が異なるかと思いますが、筆者はレセプト右側の適用欄に記載されている処方薬・処置・検査などに対して整合性のある病名が登録されているかを確認します。

本来ですと病名に対して医師が処方・処置・検査などを行いますが、レセプト点検する際は、診療行為に対して整合性のある病名が登録されているかを確認した方が点検漏れを防ぐことができます。ただし、病名を登録するのは医療事務ではなく、あくまでも医師ですので整合性が確認できない場合は必ず医師に確認してください。

【算定漏れの事例】

レセプト点検では、査定対策の点検だけではなく「この病名ならこの算定ではなくこの算定が出来るのでは?」など増収に関わる算定誤りも見つけることができます。

上記のレセプト画像で算定漏れがあるのにお気づきでしょうか。

主病名の特定疾患に対する処方薬が28日以上処方されていますので『特定疾患処方管理加算(処方箋料)』の算定ができます。この算定漏れを発見するだけで66点の増収となります。

審査機関から返戻・査定をされることがあっても、増収に関わる査定はありませんので点検時に発見することがとても重要となり、経験を積んだレセプト点検者が必要となってきます。参考にしてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。実際にレセプト点検する際の着目点やポイントを事例などを交えながらご説明いたしました。

査定は審査機関、レセプト点検ツール等により確認してくれますが、算定漏れを確認してくれる機関はどこにもありません。日々の点検やレセプトの点検精度を高め、増収につなげることが肝要です。

ぜひご参考ください。

最後に、弊社ではレセプトや日々のカルテや加算・算定をチェックする医療事務の業務支援も行なっています。

15年以上、加算・算定漏れの確認や傷病名の確認、返戻/査定業務を実施してきた医療事務さんが在籍しており、単純な加算・算定漏れを指摘するサービスとしてだけではなく、クリニックに知識やノウハウを蓄積することに重きを置いた遠隔レセプト代行サービス(メディサポ)を提供しております。

自院に算定漏れがあるか一度確認したいというトライアルのような活用方法もあると思います。

是非一度、お問い合わせください!宜しくお願い致します。