クリニックのホームページを分析し、集患へと繋げるには
クリニックの集患のためにWebを活用しているクリニックは多いかと思います。一方で、そのWeb集患の方法がうまく行っているかどうかの分析をしているクリニックは少数ではないでしょうか。
「Web集患はマーケティング会社にお任せ」というクリニックや病院も多いため、Webからの新規の患者さんが減ったような感覚を持ったとしても、その原因分析や対策案の検討が自分達ではできず、もどかしさを感じている先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回はWeb集患で重要なクリニックや病院のホームページについて、「どれくらいの患者さんが閲覧しているのか」「途中離脱せずに、予約まで辿り着けているのか」など、ホームページのパフォーマンスを確認する方法を簡単に紹介したいと思います。
株式会社パドルシップ 代表取締役
京都大学卒、京都大学大学院修了
総合電機の技術職、日系コンサルティング会社で新事業企画、ベンチャー支援等の経験を経て、2023年に株式会社パドルシップを設立。
江戸川区のクリニック立上や戦略立案、集患を経験し、現在も経営に参画。
ホームページがどれくらい見られているか調べる方法
まずはじめに確認すべきなのが、ホームページの閲覧数です。ホームページが見られる回数は、来院する患者さんの数に大きく影響しますので、ホームページの閲覧数は定期的にチェックするべき数値だと言えます。
Googleアナリティクス4(GA4)で確認が可能
ホームページの閲覧数を確認する方法として最も広く利用されている方法は、Googleが提供する『Googleアナリティクス4』(通称GA4)というツールを使う方法です。
GA4はホームページの様々な情報を見ることができ、ホームページの分析には欠かすことができないものになっています。導入の仕方などを説明した公式のリンクを載せておきますので、まだGA4を使ったことがない方は是非一度目を通してみてください。
GA4について ⇒ [GA4] 次世代のアナリティクス、Google アナリティクス 4 のご紹介
それではホームページが見られた回数をどのように確認すればいいのかについて、説明します。当記事では、導入編ということで、クリニックのホームページを運用する上で把握しておくべきことをまとめています。
更に詳しい分析方法についても紹介しておりますので、興味のある方はこちらもチェックしてください。
クリニックのホームページ分析でGA4でチェックすべきポイントまとめ
GA4のホームでホームページの閲覧回数を確認
GA4を開いて、最初に「ホーム」画面が表示されます。このホーム画面では、サイトのパフォーマンス指標の中ですぐに確認したい4つの数値が上部に表示されています。
この画像は一例であり、上部に表示される数値は、自分で設定ができます。クリニックのホームページでは、特にこの4つの数値が重要ですので、こちらの設定をおすすめします。
- ユーザー
- イベント数
- キーイベント
- セッション
ホームページの閲覧回数は「セッション」が該当します。ただし、セッション数は同一ユーザーが複数回、ホームページを閲覧した場合に重複してカウントする仕様になっています。(厳密にはある一定以上の時間間隔を空けなければカウントされませんが詳細説明は割愛します)
例えば、Aさんが、朝クリニックに行く前にホームページを見てから来院し、帰った後に再びホームページを見た場合はセッションは1ではなく、「2」となります。
それに対して、「ユーザー数」はホームページを見た人の数になります。上記のセッションとは違い、同じ人が何度もホームページを見ても重複でカウントされず、上記のようなケースでも「1」となります。
例えば、新規の患者さんを増やすためにホームページの露出を増やした際には、見られた回数の「セッション数」よりも見た人の数の「ユーザー数」が増えたかを確認するようにしてください。
患者さんがホームページから予約ができているかを確認
次に、GA4のホーム画面にも登場する「イベント数」「キーイベント」について説明します。
「イベント数」はホームページを見た人が、そのホームページで起こした様々なアクションの数です。例えば、スクロールや、予約、電話などがイベントとして計測されます。(何をイベントとして計測するかといった設定も可能です)
そして、そのイベント(アクション)の中でも特に重要なアクションを「キーイベント」として設定している場合に、「キーイベント」がカウントされます。クリニックのホームページでしたら、予約フォームに到達したり、電話をキーイベントとして設定しておくと、サイトのパフォーマンスを把握しやすくなるのでおすすめです。
ホームページが見られている回数が多いのに、予約フォームが全然見られていないなどが分かれば、原因を分析して予約フォームへの導線を改善するなど、アクションへとつなげることができます。
ホームページが検索サイトで上位表示されているか調べる方法
次に、あるキーワードの検索結果において、当該ホームページが上から何番目に表示されるのかを確認する方法について解説します。
ホームページが見られる回数を増やすには、GoogleやYahooなどの検索サイトで上位表示させることが重要であり、特に患者さんがクリニックを探すときに検索されがちなキーワードで上位表示されているとホームページが見られる回数が増えます。
Googleサーチコンソールで、Googleでの表示順位がわかる
Googleサーチコンソールを使えば、ホームページの表示順位がわかるだけではなく、表示回数やクリック数についても知ることができます。
Google Search Console (サーチコンソール)について⇒https://developers.google.com/search/docs/monitor-debug/search-console-start?hl=ja
サーチコンソールに関しても、今回の記事ではクリニックのホームページを分析するための導入部分の説明となっておりますので、更にサーチコンソールでホームページの分析を行いたい方はこちらを参照ください。
クリニックのホームページ分析でサーチコンソールでチェックすべきポイント
サーチコンソールで見るべきは「検索パフォーマンス」
サーチコンソールは、TOP画面が「サマリー」と表記されていますが、最低限確認しておくべきページはこのサマリーのページではなく「検索パフォーマンス」です。
画面左端のメニューで「サマリー」の一つ下にあります。
ページ上部に「合計クリック数」「合計表示回数」「平均CTR」「平均掲載順位」がありそれぞれクリックすることで直近の数値の変化がグラフに表れる仕様になっています。
そしてその下に表示されている部分が、クリニックの検索においての順位や表示回数を示しています。
クリニックがどんなキーワードで調べられたときに、何位で表示されているのかを確認することができます。
注目すべきポイントは、取りたいキーワードがあるか
検索パフォーマンスで、ホームページがどんなキーワードで上位表示されているのかを見ておしまいにしてはいけません。少なくとも以下の2つは必ず確認し、ホームページの改善に役立てるべきです。
- 取りたいキーワードで上位表示されているか
- 上位表示されているキーワードは意図したものか、クリックされているか
例えば、内視鏡クリニックであれば、「内科」や「内視鏡」というキーワードで上位表示されていれば患者さんの来院に良い影響を与えますので、クリニックと親和性が高いワードを予め想定しておき、それらが上位表示されているかを確認すべきだと言えます。
もしも、想定したキーワードが上位表示できていないのであれば、原因を分析し、対策していくのがホームページの運用の流れとなります。
上位表示を狙っていても、うまくいかないこともあれば、その逆もまたあります。
例えば、遅い時間まで診療しているクリニックが「夜間診療」というキーワードで上位表示されていて、クリニックもされていたが、当初は「夜間診療」というキーワードは想定していなかった、という事例があります。
当該クリニックでは「夜間診療」というキーワードを発見したことで、ホームページ上で夜遅い時間まで診療やっていることを強調し、さらなる集患に成功しました。
『欠点を改善し、長所を更に伸ばす』
是非、サーチコンソールをうまく活用してこのような改善を目指してみてください。
分析ツールを活用して時間効率を上げる
ホームページを分析するにあたって、「閲覧数はGA4」「検索性はサーチコンソール」それぞれGoogleが提供する無料ツールでの簡単な説明をしましたが、この方法が一般的であり、世界共通のポピュラーな手段であることは間違いありません。
しかし、クリニックの経営者の立場で、運用や改善を主たる目的としてこれらのツールを利用するには、多機能すぎてどこを見ればよいのか、何をすればよいのか、逆に見失ってしまう方も多いと思います。
「必要な情報だけを整理してインプットし、やるべき改善や戦略を効率よくアウトプットしたい」という先生がいらっしゃいましたら、是非分析ツールを検討ください。
分析ツールを利用すれば、ホームページの改善に必要な情報だけを取りまとめることが可能なので、改善策の立案を効率よく行うことができます。
ホームページ分析も、電子カルテデータ分析も、一つのツールで行えます
ホームページへのアクセスデータも日々蓄積されますが、同様にクリニックに蓄積され続けるデータである「電子カルテのデータ」、これらを同時に分析できるツールを最後にご紹介したいと思います。
このツールはクリニックの事務長を務めていた筆者が、クリニックの経営改善に必要なデータを、手作業で膨大な時間をかけて収集していたのを自動化、簡略化したいという経緯から、生まれた分析ツールです。
ホームページの改善に必要な「離脱率が高いページ」「ホームページの掲載順位」などをすぐに確認することができるのはもちろん、電子カルテのデータも分析可能なので「3か月以上来ていない患者さん」や「クリニック周辺で集患できていないエリア」を特定することが可能です。
無料で、デモンストレーションが可能ですので、是非お問い合わせください。
クリニック事務長が作った経営分析ツール
「メディカルボード」
電子カルテデータより集患や運用の課題を抽出
クリニック事務長が作った経営分析ツール
「メディカルボード」
電子カルテデータより集患や運用の課題を抽出
- データ処理の煩雑さ/工数の増大
- 分析の切り口がわからない
現場でのこのような課題を解決するために、
電子カルテのデータを瞬時に見える化するツールを開発しました。