地域のニーズに応じた医療を提供する。メディカルボードの導入で、ニーズの変化をとらえ、その変化に対応できる診療所へ
導入事例:大多和医院様
大多和医院 森徳郎先生
大多和医院は、千葉県東部の九十九里浜に面する白子町にある、100年以上続く診療所。 https://otawa.org 同診療所が、なぜ「メディカルボード」を導入したのか、その経緯と効果について、院長の森徳郎先生にインタビューさせていただきました。 |
クリニックの特徴について
ーーはじめに貴院の特徴や先生の想いなどをお聞かせください
森先生:
当院は千葉県の東部に位置する白子町で100年以上地域医療を担っている診療所です。予防医療、外来診療、送迎、訪問診療までワンストップでかかりつけ医として地域の皆様に医療を提供しております。
患者さまが町に住み続けられるように外来からお看取りまでの医療体制を構築したいという想いでこれまで診療所を運営して参りました。
白子町は高齢化が進んでおり、免許返納等で移動手段のない高齢者も増えてきており、診療所までお越し頂くことが難しいというご相談の声も沢山いただいております。今後もこのような問題は増加していくことが予想され、町レベルでの地域の課題を解決できる診療所を作っていけたらと思っています。
メディカルボード導入前に課題となっていたこと
ーー「メディカルボード」導入前の状況について簡単に教えていただけますか。
森先生:
当院では、売上や単価など、経営の可視化が全くされておらず、診療報酬請求の数字だけがわかるという状態でした。そのため何が減って何が増加しているのかもわからない。
レセプトの点数が減っても原因分析をすることができず、機会損失があったと考えていますが、そのことを認識することすら困難だったと思います。
一人で診療をしていればなんとなく変化に気づけると思いますが、複数の医師で診療を行っていると、感覚で売上やコストの状況を把握するのは困難だと思います。
ーーそのような状態で経営をされることに不安があったということでしょうか。
森先生:
いえ、不安があったというよりは経営として知るべき数字を知らずにやっていたため、いわば、採血結果なしで入院患者を診ているような、、今思うと怖い状態です(笑)
とにかく目先でやっていけてるからまぁいいやという状態で、不安感も認識できていなかったということだと思います。
メディカルボード導入の決め手
ーー導入の決め手というのはありましたでしょうか。
価格面やサービス面、提供している弊社メンバーの人柄とか(笑)
森先生:
今までも税理士や会計士さんと相談させていただきましたが、医療現場の感覚がわかった上で私が必要としている「事業の状態を知るためのデータ」を出していただける方は、個人的な経験として少なかったように思います。また、他の既存のサービスもそれは出せないと感じていました。
そういった課題感を持っている中で、偶然一緒にやってくれるというメンバーに出会えたのが一番の決め手でした。
それは「=(イコール)サービス内容」が決め手ということかもしれません。もちろん人柄もです(笑)
価格面については、月額費用を戦略的に抑えてらっしゃるということも感じていますし、私はすごく割安に感じるお値段でした。
ーー誘導してすみません(笑)ありがとうございます。
診療所の現場発ということは弊社も意識しているところでして、診療所で把握したいデータや数字で大事なものが何かを常に探求しています。
森先生:
離脱患者分析や、診療が足りていないエリアの可視化はまさにそうでしたね。
メディカルボードの画面例
サービスを利用した効果
ーーそれでは最後に、本ツールを導入したときに得られる効果として、どのようなことが考えられるでしょうか。
森先生:
一番大きいのは、当院でいろいろな診療科の外来、訪問診療、訪問リハビリ、などを行っていますので、全体の売上が変わったときに、何が変わったのかが一目でわかるようになったことだと思います。そして変化を把握できることで、その変化の原因が何かを考えることができるようになりました。
例えば、「ある月の売上が急に落ちた」として、以前であれば「患者が減ったので売上も落ちた」ぐらいの想定しかできず、それを深く考える情報もありませんでした。
これに対し、メディカルボードを使うことで、「ある月の売上が急に落ちた」に対して
- 日別、曜日別の売上をみることで「診療体制的に"いつも売上が少ない曜日"があるが、その"売上が少ない曜日"がその月に5回あった」
- 科別、ドクター別の売上、処置の回数をみることで「リウマチ科の、処置1回の単価が高い注射を打たなかった人が、その月は偶然重なった」
など、原因を確認できることで、「対応できていないニーズや機会損失はなさそう。来月にはまた売り上げは戻る」という確認ができました。
ーー先ほどおっしゃっていた「知るべき数字を知らずに経営をしていた」という部分ですね。
森先生:
そうですね。
そして今後ですが、その変化の原因に対して正しく手当をできるようになると思っています。
例えばリウマチの患者様が減っているとすると、何かその患者様にとって使いにくいクリニックになってしまっている理由があるかもしれない。
そこで「患者様が減っているので集患しましょう」ではなく、「なぜ患者様が減ったのか」「何か他にニーズが隠れているのでは」と考え、さらに「そのニーズに対して私たちが合わせられていないのでは」ということまで考えることができると、適切に対応することができるようになる。
私たちのアウトプットは患者様方が良い状態になる、より使いやすい診療所になるということなのでそれに向けてまず売上や利益、患者数などの変化をとらえ、さらにその原因分析を精密にできるようになるとこのような変化に対する対応ができるようになると考えます。
ーー院内への効果もありましたでしょうか。
森先生:
経営上の分析をするための数字を集計するという無理なお願いをスタッフにしていたと思います。適性がある人でない限りは難しいと思うので、そこを貴社が助けてくれたと思っています。
ーーこの度はお時間をいただきありがとうございました。
地域でのワンストップでのかかりつけ医療を提供する大多和医院様。 株式会社パドルシップは、メディカルボードによる患者ニーズの見える化を通じて、同院の取り組みを支援し、地域の課題を解決できる診療所作りに貢献していく。 |