クリニックを開業し、経営する上で、「医療事務」の存在は不可欠です。
この記事では、新規開業クリニックにおいての医療事務の採用について説明します。
医療事務に国家資格はない
医療事務の採用条件を決める上で最初に知っておきたいことは、医療事務には国家資格は存在しないということです。
つまり、看護師のように、「必要な資格」という採用条件を記載することは難しく、応募者のスキルの多寡は面接で実際に話を聞いて判断する必要があります。
資格による応募の足切り条件が設定できないため、ほとんど事務作業ができない方でも応募することができてしまうということを念頭に置いておきましょう。
医療事務の資格は、民間資格であり、面接で有無を問い、給与算定の参考にする程度がよいでしょう。
医療事務の募集要項で資格について書かれていることが少ないのは、このような理由があります。
医療事務の募集条件を記載するなら
最初に述べた通り、医療事務の採用条件として、「資格」の有無を要項に入れることは難しいです。
しかし即戦力を必要としていたり、事務経験がなくとも、基本的なパソコン作業はできる方を採用したいと考えている先生方も多いと思います。
そんな場合は、「レセプト経験有り」や「基本的なパソコンスキル」と募集条件に記載しておきましょう。
既存のクリニックで、新人の事務員をゆっくり育成できる環境が整っていれば応募条件を全く書かずに募集することも可能ですが、開業においてはそのような環境を整備するのは難しいので最低限のスキルを持った方を採用することが無難だと言えます。
新規開業クリニックにおいての医療事務の給与相場
では、実際に医療事務を募集するにあたって、給与はどのように設定するのがよいのでしょうか。
結論から申しますと、「周辺のクリニックよりも月給で1~2万円程度の安い給与設定」で募集するのがおすすめです。
その理由は、オープニングスタッフは応募者にとって魅力的だからです。
実際に転職を考えている医療事務の方は、前の職場の人間関係が原因という方も一定数おり、人間関係をリセットして心機一転と考えて応募されます。
オープニングという付加価値があるため、周囲のクリニックよりも多少、給与条件が悪くても応募を見込めるということです。
まとめ
クリニック開業される先生方の多くは、人事採用に初めて挑戦されるかと思います。
しかし、いざ、募集をしてみようとはしたものの、募集条件や給与条件を決めるのは難しいと思います。
医療事務の募集要項を決めるには、以下を抑えておきましょう。
・医療事務の民間資格の有無で給与の差をつける
・クリニックの新規開業ではレセプト経験者など即戦力の医療事務を雇用しておく
・オープニングスタッフは魅力があるので、相場よりも少し安く募集してみる(周辺クリニックの給与相場を調べておく)
また、自院が夜遅くの診療を対応するなど働き手の負担に成り得る要素があれば、その分給与水準をあげるなどを検討しましょう。
ご参考にしてください。
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