クリニックを開業すれば、年収はどのくらいになるのか?

クリニックを開業するのであれば、「収入がどれくらい見込めるのか」興味がある方は多いと思います。
開業するクリニックの立地や、診療科目によって収入も支出も変わりますので、当記事で紹介するのは厚生労働省のデータをまとめたものですが、クリニック開業を考えているのであれば参考になさってください。

開業医の平均年収

厚生労働省の「第24回医療実態調査(令和5年実施)」によると、開業医の平均年収と勤務医の平均年収はこのように発表されています。

開業医の平均年収:約2,600万円
勤務医の平均年収:約1,100万円

また、参考までに開業医と勤務医の人数は、厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、

病院勤務医:約14万6千人
診療所勤務医:約3万2千人
勤務医合計:約17万8千人
病院の開設者または法人の代表者:約5千人
診療所の開設者または法人の代表:約7万2千人
開業医合計:約7万7千人

以上の人数割合と、発表されています。

都心部での開業と、地方での開業で、収入にどのように差がでるのか

クリニック開業を、都心部で行うのと、地方で行うことで、最も違うのは集患に必要なコストです。
集患には「チラシ配布」「ホームページ運用」「SNS運用」などの方法がありますが、地方でのクリニック開業であれば、ホームページを開業当初に作成し、最低限の保守運用のみでも、十分に周辺の住民に認知してもらえることもできるかと思います。
しかし、都心で開業するのであれば、ホームページを作成してからも、インターネット上で露出をしていくための運用費が必要ですし、患者層がお母さん世代であれば、SNS運用も重要です。
先生ご自身でそのような広告をするのは、クリニック開業当初の忙しい時期においてはとても困難であるため、やはり広告運用が得意な会社に依頼することになります。
大体、集患にかかるコストは相場観としてですが、地方では「月1万円~5万円」、都心部では「月5万円~※30万円」ほどになります。
※美容専門のクリニックでは、特に広告費用が高くなったりしますので上幅が大きくなっています。

開業医として成功したかは、収入だけでは測れない

開業医をされたほうが、勤務医を続けるよりも平均年収が高いというデータもありますし、開業する目的として、「収入を増やすこと」を掲げられる先生もいらっしゃいます。
実際、収入が増えることは素晴らしいことだと思います。

しかし、開業して得られるものはお金だけではなく、「自分の目指す医療への想い」や、「共に働く仲間」であったり、「家族と過ごす自由な時間」なども開業することでしか得られないものです。
開業された先生でも、お金よりもむしろそちらのほうに価値を感じられていらっしゃる方は非常に多いです。

収入が増えることも、開業医として成功した要素の一つですが、収入はクリニック経営が順調かどうかの目安くらいと考えてもよいのかもしれません。