クリニックの開業準備として、「業務オペレーション」の最適化を考えておくことは、患者さんへのスムーズな対応に繋がり、より多くの患者さんを受診することでクリニックの収益にも直結します。
この記事では、クリニックの業務オペレーションの考え方について解説したいと思います。
業務オペレーションとは
そもそも業務オペレーションとは、業務の流れやフロー、それを進行させるための行動を意味し、クリニックにおいての業務オペレーションは、
①患者さんが来院する
②受付対応をする
②患者さんが診療を受ける
④患者さんが会計を済ます
③患者さんが次回予約をし、帰られる
以上を医療スタッフが連携して対応することを指します。
どんな診療内容であってもスムーズな対応ができるように、開業前から業務オペレーションの最適化を図っておきましょう。
クリニックの業務オペレーションを最適化する
業務オペレーションを最適化するには、二つの重要な観点があります。一つは「業務体制」、もう一つは「ITシステムの活用」です。
業務体制
業務効率向上の鍵として、「資格、役割に応じた業務体制」の構築が重要です。
それはつまり、医師、看護師、事務スタッフが均等に業務を分担するのではなく、ピラミッド型の構造を取り入れ、医師の業務を最小限に抑えることが理想的です。
例えば、医師1名の体制で運営する場合、医師は「医師にしかできない業務」に、看護師は「看護師にしかできない業務」に専念することで、効率的な診療体制の構築が可能となります。
このためには、まず各職種の業務を詳細に洗い出し、医師から始めて看護師、そして事務スタッフへと業務の委譲可能な範囲を明確にしていく作業が必要です。
ITシステムの活用
ITシステムをうまく使いこなし、工数削減をすることが、業務オペレーションの最適化に直結します。
省人化が可能な業務については、ITシステムの導入により、人的リソースを最適に配置し、効果的な業務プロセスを構築することができます。
クリニック開業において、導入すべきITシステムについてご紹介します。
電子カルテ
電子カルテは、これから開業されるクリニックでは必須といっていいシステムです。
診療内容や経過を電子データとして保存、管理することで、診療だけではなく、レセプトなどの事務作業も業務効率化を図ることができます。
経営管理ツール(ダッシュボード)
電子カルテが業務オペレーションを最適化するのに欠かせないことはご存知な先生も多いかと思いますが、電子カルテと連携し、日々溜まり続けていく電子カルテのデータを分析し、可視化することでさらなる業務オペレーションの最適化を図ることができるのは、経営管理ツール(ダッシュボードやBIツールなどといったりもします)。
まだ認知も浅いですが、これから先、電子カルテのデータをうまく活用することがクリニック経営の成功に繋がります。
予約システム
予約システムは日々、進化しており、ただ予約ができるだけでなく、来院前にWeb問診が可能で問診の結果を自動的に電子カルテに反映することも可能です。
また会計機能が備わっている予約システムもあり、受付、問診、カルテ記入、会計、すべての業務が大幅に工数削減が可能となっています。
高機能であるがゆえに、導入コストが高くなることもあるので、開業当初からすべての機能を導入するかは慎重に検討する必要があります。
まとめ
クリニックを開業するにあたって、医療機器の導入や、内装など準備することが非常に多く、つい忘れがちとなるのが業務オペレーションです。
実際に、クリニックに来院する患者さんを想定し、どんな診療内容でも滞りなく対応できるように業務体制を整えておきましょう。
また、ITシステムをうまく活用することで、業務効率化を図り、不要な人件費や事務作業を減らすことも重要です。
電子カルテの導入はもちろん検討されるかと思いますが、予約システムやダッシュボードのような経営管理ツールを取り入れることもクリニック経営の助けになります。
是非、クリニックを開業されるのであれば、検討してみてください。
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