クリニックの集患における「SEO」と「MEO」の違いとは?

クリニックを安定して経営していくためには、医療の質を高めることはもちろん、地域の中で“選ばれる存在”として継続的に患者さんに来院してもらう必要があります。そのための施策として、いま最も注目されているのが「Webを活用した集患対策」です。

特に近年では、患者さんの来院きっかけの多くがインターネット上の情報によるものであり、当社(パドルシップ)が支援する都市部・郊外問わず多数のクリニックにおいても、

  • ホームページ(SEO経由)からの来院が全体の30〜50%
  • Googleマップ(MEO経由)からの来院が全体の15〜35%

というように、Web経由での来院が過半数を占めることが一般的になってきています。

この記事では、クリニック集患における「SEO」と「MEO」の違いと役割、そしてどちらを優先すべきかについて、専門業者の視点からわかりやすく解説します。

この記事の著者:新井貴博

株式会社パドルシップ 代表取締役
京都大学卒、京都大学大学院修了
総合電機の技術職、日系コンサルティング会社で新事業企画、ベンチャー支援等の経験を経て、2023年に株式会社パドルシップを設立。江戸川区のクリニック立上や戦略立案、集患を経験し、現在も経営に参画。


目次

SEOとは?クリニックの「検索される力」を高める施策

SEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)とは、Googleなどの検索エンジンで特定のキーワードに対して自院のホームページを上位表示させるための施策です。

たとえば「○○駅 内科」「△△市 皮膚科」といった検索をした際に、ユーザーの目に留まりやすい上位に表示されることで、ホームページへのアクセスが増え、結果として来院数が増加する可能性が高まります。

SEOの主な特徴は次のとおりです:

  • ホームページのコンテンツ(記事や紹介ページ)を通じて検索ニーズに応える
  • コンテンツが蓄積されるほど、検索順位が安定・強化されていく
  • 一度上位に表示されると継続的な流入が期待できる

つまり、SEOは中長期的に患者との接点を増やす資産型の施策です。


MEOとは?Googleマップで“見つけてもらう”ための対策

MEO(Map Engine Optimization)とは、Googleマップ上で自院を検索された際に、上位に表示されるように最適化を図る施策です。

患者さんは検索エンジンだけでなく、Googleマップや「地図アプリ」からもクリニックを探しています。「○○駅 内科」などで検索すると、地図上に3件ほど表示される“ローカルパック”に自院が掲載されるかどうかが、来院の分かれ道となります。

MEOの主な特徴は次のとおりです:

  • Googleビジネスプロフィールの整備(診療時間、写真、口コミなど)
  • 地域との親和性が高く、スマホ利用者と相性が良い
  • 比較的短期間(1〜2ヶ月)で効果が現れることも

特に土地勘のない患者や初診患者にとって、地図情報の正確さや口コミの有無は医院選びに大きく影響します。


SEOとMEOの違いを表で整理

SEOとMEOは、目的も表示される場所も異なります。以下の表でその違いを比較しながら整理します。

項目SEOMEO
対象範囲Google検索(Webページ)Googleマップ検索(地図表示)
掲載場所自院ホームページ(オーガニック検索枠)ローカルパック・マップ枠
アプローチ方法キーワード記事・内部構造の最適化Googleビジネス情報・口コミ整備
効果が出るまで中長期(3〜6ヶ月〜)比較的短期(1〜2ヶ月)
主な成果Webからの検索流入マップからの来院・電話・経路案内

このように、SEOは検索エンジン上での情報提供によって中長期的な集患基盤を築く施策であり、MEOはGoogleマップの情報整備によって即効性のある来院導線を強化する施策と言えます。それぞれの特性を理解し、目的に応じて活用していくことが重要です。


どちらを優先すべき?両輪としての活用が理想

SEOとMEOは、どちらか一方を選ぶのではなく、両方を併用することが最も効果的です。

理由は以下のとおりです。

  • 患者の検索行動は複数チャネルにまたがる(例:「症状」で検索→マップで医院確認)
  • SEOは中長期の集患基盤を作り、MEOは短期的な反応を得られる
  • いずれも「見つけてもらう」ことが第一ステップとなる

特に開業初期は、MEOによって早期に認知を獲得しながら、並行してSEOで地域や診療科のキーワードを育てていく戦略が現実的です。


まとめ|Webからの来院を最大化するために、SEOとMEOは両方欠かせない

今や、クリニックの集患において「Webで見つけてもらう」ことは必要不可欠です。

実際に、パドルシップが支援しているクリニックでは、Web経由の来院が全体の50%以上を占めるケースが大半であり、

  • ホームページ経由(SEO)で20〜30%
  • Googleマップ経由(MEO)で20〜30%

という数字が集患の中核となっています。

だからこそ、SEOとMEOの両方を理解し、クリニックの強みや立地、開業フェーズに応じた戦略を立てることが、これからの時代の“選ばれる医院”への第一歩です。

私たちパドルシップでは、SEO・MEOをはじめとするWeb集患支援サービスを通じて、地域に根ざした医療の発信と、安定経営の両立をサポートしています。ぜひお気軽にご相談ください。

目次